「田力本願の米 栽培履歴」

 「あわよくば無農薬水稲栽培」そう思い立ったのが平成15年1月、「場合によってはいつでも農薬をぶっかけてやる!」そう田んぼを睨み付けたのが平成15年6月。
 通常栽培の6割収量で「割と収量あるじゃねえか。」と近所の農家の励まされたのが平成16年10月、平成17年秋には雑草の活躍により「田んぼのじまい」まで考えましたが、顧客の皆様の応援もあって低温倉庫も完成いたしました。
 平成18年には除草作業も研究し稲と雑草と白鳥と人間に励まされながらの田力稲作です。その意味で「田力本願」とは田んぼから始まる様々なつながりに支えられる稲作なのかもしれません。以下、具体的な栽培履歴について紹介いたします。
農薬を使用しない履歴
平成15年 作付け面積 4.6ha の全栽培過程において種籾の殺菌、除草剤、殺虫剤、病害防除剤など、その他一切の農薬を使用せず。

平成16年

平成17年 作付け面積 4.8ha(通称「肥力頼み水田」の復田により 0.2ha 追加)、農薬を使用せずの内容は平成15〜16年と同様

平成18年  

平成19年

平成20年 平成18年と同様の予定

無農薬栽培認証については取得しておりません。これは取得にかかる経費と煩雑な手続きが大きな負担になると考えたからです。ただし、宮城県の独自認証制度については平成16年に取得し、また転作規定が変更となった平成19年にも取得しました。平成20年も取得予定です。

肥料を使用しない履歴(育苗を除く)

平成15年 作付け面積 4.6ha のうち、2.0haの水田にクズダイズ、コメヌカの有機資材を施肥。それ以外は追肥、基肥とも施肥せず。

平成16年 作付け 4.6ha 全面積にわたり追肥、基肥とも施肥せず。

平成17年 復田作し、付け面積に追加となった「肥力頼み水田」 0.2ha にのみ市販の有機肥料を施肥、それ以外の作付け面積 4.6ha は追肥、基肥とも施肥せず。

平成18年  

平成19年 平成17年に復田した0.2haの水田にも施肥を行わず。それ以外の水田は平成18年度と同様で、全て無肥料にて栽培。

平成20年

 現状において無肥料栽培は無農薬栽培のような公的認証がなく、またその定義も確立されていないようです。田面においては上記のように肥料を投入しない栽培を基本として継続しておりますが、育苗(田植え前に専用の水田で苗を育てる)においては、下記のように有機資材を施肥しております。

育苗方法について

平成15年 種籾は塩水選し、温湯消毒で処理する。有機資材を用いてハウスにより育苗

平成16年 温湯消毒を省略し、平成15年と同様の方法で育苗を実施したが、発芽が遅れ、またカビが発生して発芽不良となった。このため近隣の「農薬を使わず」の農家より種籾を譲り受け、再度育苗を行う。
 この歳「ササニシキ」は無農薬栽培による遠藤水田(石巻市北村)の種籾を使用し、「ひとめぼれ」は伊豆沼オリザで農協より購入した種籾を温湯処理して使用した。農協より購入した種籾は、農薬を使用し栽培したものを用いている。

平成17年 苗代による育苗を実施。有機肥料(バイオノ有機)を、種籾は田力本願栽培産を用い、塩水選により選別し消毒は行わず。

平成18年 育苗の有機肥料に「ピートモス」を利用した以外は、平成17年と同様

平成19年 「ピートモス」を使わず、平成17年と同様の育苗を予定

平成20年

育苗とは種籾選別や殺菌処理、発芽促進の処理、種まきから苗を育てるまでの田植え前の作業のことで、稲作を行う水田とは別個に用意するハウスや苗代等で行われます。
塩水選とは種籾選別の手法で、真水よりも比重を大きくした塩水に種籾を浸し、より比重の大きい籾を種籾として選別します。
温湯消毒とは殺菌剤を使わず「お湯」だけ籾を消毒する方法で、有機栽培稲作では最も一般的な種籾の消毒方法です。
田力本願稲作では、平成17年より温湯消毒も省略しています。
苗代とはハウス栽培のような管理の行き届いた場所で苗を育てるのではなく、専用の田んぼで直接、苗を育てる方法で、昭和までは一般的な育苗方法でした。
田力本願の育苗で使用する有機肥料とは下記のものです。


  「商品名:バイオノ有機」 
  魚肉エキス、米糠、油粕が原料となる市販の肥料

  「商品名:ピートモス」
  地層から得られる堆積した有機物( 水苔、葦、スゲ、ヌマガヤ、柳など)
  で、海外から輸入される市販のものを用いています。


耕起無しについて
平成15年 平成4年以降、作付け面積 4.6ha について耕起無しを継続。ただし隣接田への漏水や春期雑草を防除するため、田んぼの畔沿い幅2mほどについて代掻きを実施。

平成16年

平成17年

平成18年 春期雑草の増加により、作付け面積4.6haのうち数枚の水田について田面全体にわたり代掻。畔沿いについては全水田について代掻。

平成19年 ・平成18年11月〜平成19年1月にかけて、水田の代掻きを実施。
・平成19年5月上旬に十数年ぶりに耕起を実施
・平成19年5月中旬に代掻きを実施
上記により、平成4年以降継続してきた不耕起栽培を平成19年作で中断することとなった。

平成20年 ・平成19年10月に秋耕起を実施
・平成20年3月に春耕起を実施
・平成20年5月中旬に代掻きを実施

耕起とは稲刈り後(11月頃)若しくは、田植え前(4月頃)の乾いた水田において、作土を掘り起こし反転させる作業を言います。
代掻きとは水田を湛水させ、作土の表層をかき混ぜる作業を言います。
「耕起」も「代掻き」も行わない栽培は「不耕起栽培」と呼ばれ、また「耕起」は行わないが、「代掻き」を行う栽培は「半不耕起栽培」とも呼ばれております。
田力本願稲作では、平成17年まで、ほぼ「不耕起栽培」を継続しておりましたが、平成18年には雑草対策のため、大部分の水田で「半不耕起」を実施することにしました。さらに平成19年には田面凹凸を平らにするため、冬期の代掻きを実施しています。


冬期湛水について
平成15年 作付け 4.6ha全面積にわたり2月より灌漑することで、冬期湛水を開始し、8月末まで湛水を継続。稲刈り後、10月より再び灌漑して湛水を継続

平成16年 前年からの湛水を8月末まで継続。ただし8月初旬には一度、田面を乾かす。稲刈り後、11月より再び灌漑して湛水を継続。

平成17年

平成18年

平成19年 平成19年の2月より田んぼを乾かし、冬期湛水を中断

平成20年 冬期湛水を行わず

冬期湛水(「ふゆみずたんぼ」、「冬水田んぼ」、「田冬水」とも呼ばれる。)は通常では水田を乾かす秋期〜春期においても水田に灌漑する農法であり、これにより雑草の抑制効果が期待でき、また不耕起での田植えが効率的に行えるなどといった営農面でのメリットに加え、水田に生息する生物層を多様にするといった環境面での効果も期待されます。


作付け品種と収量ついて

9枚の水田、合計4.89haの付け品種及び収量の変遷は以下のとおりです。
ほ場 シャジ
クモ
ホタ
ルイ
アオミ
ドロ
ヒエ クロ
グワイ
イボ
クサ
イチョウ
ウキゴケ
肥力
肥力
合計 平均収量
[俵/10a]
面積
[ha]
0.43 0.97 0.46 1.05 0.48 0.55 0.67 0.17 0.11 4.89
 H15 ひと ササS ひと ひと ひと ひと ひと リンゴ畑 苗代専用 5.5
 H16 ひと ひと ササ ひと ササ ひと ひと 6.5
 H17 ひと ササ ササ ひと ササ ひと ひと ササS ササS 4.6
 H18 ひと ササ ササ ササ ササ ひと ひと ササS ササS 5.4
 H19 ひと
3.4
ササ
3.4
ササ
3.4
ササ
3.6
ササ
3.4
ササ
4.5
ササ
5.4
ササ
2.5
ササ
2.5
3.8
 H20 シグレ ササ ササ ササ ササ ササ ササ ササ ササ

 (注1)上表中「ひと」は「ひとめぼれ」を、「ササ」は「ササニシキ」を作付け。
 (注2)「S」を添付したほ場では有機肥料を施肥しています。
 (注3)平成19年作付け品種の下に書かれた数字はほ場ごとの反当収量です。
 
(注4)「シグレ」とはササシグレのことです。


平成15年 冷害年で、病害が多発しましたが、田力本願水田ではほとんど病害が発生しませんでした。ただし収量は近隣の水田と同程度です。

平成16年 豊作年で、田力本願水田も収量が向上しましたが、近隣の水田の7割程度でした。

平成17年 稲の倒伏が多発した年でしたが、田力本願水田ではほとんど倒伏はありませんでした。ただし雑草が増え、収量は減少しました。

平成18年 収量は目減りしましたが良品米が収穫できた年でした。田力本願水田では始めて除草機械を導入し、そのためか収量は増加しました。

平成19年 現在、稲諸君はスレンダーな姿で育成中

平成20年 除草に力を注ぐ





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